毎年6月下旬になると、神社の境内に大きな茅の輪が作られます。
神社によっては12月にも作られるところがあります。
いずれも大祓という行事なのですが、6月は夏越の大祓(なごしのおおはらえ)で、12月は年越しの大祓(としこしのおおはらえ)といいます。
どちらもその月の末日に行われる行事で、夏越の大祓では茅の輪くぐりを行う神社が多く見受けられます。
夏越の大祓の当日より2週間くらい前から茅の輪を設置する神社もあるので、都合がつかないという方は事前に参拝に出掛けてくぐるといいですよ。
茅の輪は茅(ちがや)という草で編んだ大きな輪で、この輪をくぐることで心身を清めて災厄を祓い、無病息災を祈願するものです。
くぐるといっても、きちんと作法があるんですよ。
その作法も神社によって若干違いがあったりするので、ここでは基本的なくぐり方の作法をご紹介します。
茅の輪は一般的に8の字で三度くぐり抜けます。
【茅の輪の基本的なくぐり方】
①正面でお辞儀をして左足で茅の輪をまたぎ、左回りで正面に戻る
②正面でお辞儀をして右足で茅の輪をまたぎ、右回りで正面に戻る
③正面でお辞儀をして左足で茅の輪をまたぎ、左回りで正面に戻る
④正面でお辞儀、左足で茅の輪をまたぎ、参拝へ
この時、頭の中で以下の唱え詞を奏上しながら行いましょう。
「祓い給へ 清め給へ 守り給へ 幸え給へ」
(はらへたまへ きよめたまへ まもりたまへ さきはえたまへ)
ただし、神社によっては茅の輪くぐり方が違ったり、奏上する唱え詞が異なることがあります。
その場合は茅の輪の近くにくぐり方の説明や唱え詞が貼り出してあることが多いので、それに従うようにしましょう。
特に何も無い場合は上記の基本的なくぐり方と唱え詞でいいと思いますよ(^^)
茅の輪くぐりっていつからやってるの?その由来は?
夏越の大祓で茅の輪をくぐるのは、これから夏の暑さが始まり心身が疲れたり気力が衰える時期でもあるので、病気が流行りやすい時期というのもあります。
夏を無事に乗り切れるように願った行事でもあるんですね。
またその由来は古く、日本神話から来ているんです。
スサノオノミコトが旅の途中に宿をもとめ、備後国の蘇民将来(そみんしょうらい)、巨旦将来(たんしょうらい)の兄弟を訪ねました。
弟の巨旦は裕福であったにも関わらず宿を貸そうともせず、兄の蘇民は貧しくとも喜んで宿を貸し、精一杯のもてなしをしたそうです。
スサノオノミコトは蘇民に「疫病が流行った時には茅で輪を作り、腰につけて難を逃れよ」と教えました。
言われた通りにした蘇民は何を逃れ、それからも無病息災を祈願するために茅の輪を腰につけていたものが、江戸時代初期には大きな輪になり、現在の茅の輪くぐりの形になったそうです。
この由来を聞いてしまうと「茅が欲しい!」と思う人も出てくるかと思います。
神社によっては小さい茅の輪を頒布しているところもあるようです。
ですが、茅の輪に使われている茅を抜き取って持ち帰るという行為は絶対にNGですよ!
神社の境内に作られた茅の輪は多くの人がくぐって穢れを落とすわけですが、実はその落とした穢れは茅にくっついているんだそうです。
ですから、茅の輪の茅を抜き取って持ち帰るということは、穢れを持ち帰るのと同じことなんです☆
神社にあるものは石一つ、木の葉一枚でも持ち帰ってはいけないと言われています。
もしどうしても茅が欲しいという方は、お守りなどで茅の輪を扱っている神社で購入するようにしましょう。
夏越大祓御朱印がいただける東京の神社ってどこ?
夏越の大祓限定の御朱印を出している東京の神社で有名なのは、やっぱり港区新橋に鎮座する烏森神社でしょう!
年間で10種類ほどの御朱印を授与しているのですが、カラフルでとても人気が高いんですよ。
烏森神社の夏越大祓御朱印はとても涼やかなデザインになっています。
お手持ちの御朱印帳に書き入れてもらえる日と書き置きのみの日があるので、対応日を知りたい方は烏森神社の公式ツイッターをご確認くださいね。
ちなみに夏越大祓御朱印は毎年6月10日頃から30日までが授与期間となっています。
烏森神社では茅の輪御守りもあるので、茅が欲しい方にはピッタリですね♪
ただし!大変人気が高い御守りなので、無くなり次第終了となります。
茅の輪御守りを受けた方は御朱印に蘇民将来子孫の印が入るそうですよ!
また、茅の輪守りには水無月という清め菓子の引換券もついてくるんだとか。
水無月は6月に食べられる和菓子で、邪気祓いと暑気祓いにいいんだそうですよ。
数量限定となりますが、引換券をいただいた人は境内にある甘味処「色ごよみ」で水無月と交換できるそうです。
特製のものだそうなので、いただけたらラッキーですね!
季節のものをいただくというのも厄払いになるので、和菓子屋さんで購入してみるのもいいかと思いますよ(^^)
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